ふろしき専門店 むす美

一枚の布の中に込められた日本と京都の精神。

休日には、個性的なショップ巡りをする地元の人や土産物を買い求める観光客でにぎわっていた三条通りも、少しずつ活気を取り戻してきたように思える。この通り沿いにある中京郵便局や京都文化博物館別館といったレンガ造りのアーキテクチャーと古い京町屋の対比がユニークな街並みの一角に、ブティックのような瀟洒な外観と、色彩豊かな美しいテキスタイルの並ぶショップが佇む。それが今回訪問したふろしき専門店の「むす美」さんである。2005年の東京出店に続いて、2017年に本拠地である京都に待望のオープンを果たした。
環境問題への高まりからエコバック・マイバックが今や生活における必須アイテムとなった昨今であるが、日本古来のパッケージング文化として存在する「ふろしき」が、その機能性とアート性の両面から、若い世代や海外から多くの注目を集めている。

日本人にとって、当たり前すぎる存在であった「ふろしき」たち。しかし、このショップにひとたび足を踏み入れると、その多彩で豊かなデザイン性、柔軟で使い勝手の良い機能性に改めて気づかされる。「#Kawaii」に惹かれて使い始めたユーザーたちが、その奥深い機能性やこの道具の持つサスティナブルな本来の思想性に魅せられて、国境や世代を超えてファンとなっていくことに、日本古来の布で包むという文化が時代にマッチして、新しい潮流を産み出し始めたことが感慨深い。
子供のころ、お弁当が包まれていたふろしきを何気なく開く時、一人暮らしを始める折、母親に「ふろしき一枚ぐらい持ちなさい。」と言われた時、その言葉に込められた親から子へと注がれる愛情と暮らしの中で紡がれた様々な工夫と知恵の存在を思い出す。
「子育てや教育の現場でも、ふろしきの持つ素晴らしさを伝えていきたい」アートディレクターの山田氏の言葉に込められた、日本の文化や思想性が詰まった1枚の布の未来に思いをはせる1日であった。

一海外での発信も積極的に。

海外での発信も積極的に行っている。2018年には、パリの市庁舎前にて、パリ・東京文化タンデムの一環として「FUROSHIKI PARIS」に参画。2021年よりオランダのアムステルダムのトロッペンミュージアムにて展覧会「Gifts Unwrapped」が開催中。

ふろしき専門店 むす美 京都店 公式ウェブサイト本ページに掲載している写真はイメージです。プロダクトなどに関して、
詳しくは公式ウェブサイトでご確認ください。