泰然と佇む門の向こうは、静寂に包まれた別世界。
鯖街道の歴史を受け継ぐ、絶品の若狭料理を堪能する
京都と若狭を結ぶ鯖街道。その街道茶屋として安土桃山時代に創業したという山ばな 平八茶屋は、現在も変わらず同地に佇む料理旅館だ。当時の旅人は、今もここの名物である「麦飯とろろ汁」をかき込み、旅路についたという。上質の丹波産つくね芋を丁寧にすりおろし、秘伝のだしと少量の白味噌を加えたとろろ汁は、まろやかな味わい。炊きたての麦飯との相性も良く、さらりと食べられる。この麦飯とろろ汁は、懐石料理を頼めば大方付いているのだが、中でもおすすめなのが、“ぐじ”を使った「若狭懐石」である。ぐじとは、京都では日本海で穫れる赤甘鯛のことを差し、京料理には欠かせない高級食材。塩を振りうま味が増したぐじを、もっちりとした食感の向付、鱗まで食べられるよう炙った若狭焼きで存分に味わえる。ただし、向付は天候により入手出来ない場合もあるので、運がよければ、である。
食事の前後に余裕があったなら、ぜひ体験してほしいのが日本古来のサウナ「かま風呂」。その歴史は壬申の乱に遡り、大海人皇子が矢傷を癒やしたと伝えられている。低温のドライサウナに近く、神経痛やリューマチなどに効果的だ。宿泊者との兼ね合いがあるため、利用の際には事前予約を。
取材・文/junko ikeuchi

ライトアップされた夜の庭は、幻想的な雰囲気が漂う。

鎌倉時代に始まったとされる壬生狂言の演目のひとつ「山端とろろ」は、まさに平八茶屋のとろろ汁のことだ。

京料理の高級食材、ぐじ(赤甘鯛)が味わえる「若狭懐石」(14,300円〜、別途サ要)。

ぐじの旬は冬だが、日本海が荒れるため冬季は希少。向付は、天候により提供できない場合もある。

ランチ限定の麦飯とろろ膳(3,850円)。創業以来の名物「麦飯とろろ汁」を手軽に楽しめる。

冬季は丹波産のしし肉を使ったぼたん鍋、新潟産本鴨の鴨鍋も味わえる。いずれも要予約。

座敷はすべて高野川に面し、穏やかな川の流れと四季折々の庭を眺めることができる。

京都でかま風呂が楽しめるのはここを含め2ヶ所のみ。低温のため心臓や筋肉への負担も少ない。

主人の名が確認できる安土桃山時代を創業としているが、記録にはないものの、起源は平安時代に遡るという説も。

幕末には勤王の志士たちの会合場となり、新選組に睨まれたこともあった。母屋の入口に残る刀傷は、その時のものだという。

ライトアップされた夜の庭は、幻想的な雰囲気が漂う。

鎌倉時代に始まったとされる壬生狂言の演目のひとつ「山端とろろ」は、まさに平八茶屋のとろろ汁のことだ。

京料理の高級食材、ぐじ(赤甘鯛)が味わえる「若狭懐石」(14,300円〜、別途サ要)。

ぐじの旬は冬だが、日本海が荒れるため冬季は希少。向付は、天候により提供できない場合もある。

ランチ限定の麦飯とろろ膳(3,850円)。創業以来の名物「麦飯とろろ汁」を手軽に楽しめる。

冬季は丹波産のしし肉を使ったぼたん鍋、新潟産本鴨の鴨鍋も味わえる。いずれも要予約。

座敷はすべて高野川に面し、穏やかな川の流れと四季折々の庭を眺めることができる。

京都でかま風呂が楽しめるのはここを含め2ヶ所のみ。低温のため心臓や筋肉への負担も少ない。

主人の名が確認できる安土桃山時代を創業としているが、記録にはないものの、起源は平安時代に遡るという説も。

幕末には勤王の志士たちの会合場となり、新選組に睨まれたこともあった。母屋の入口に残る刀傷は、その時のものだという。